MR認定センターが発表する、MR白書では最近毎年のようにMR総数の減少が発表され、周囲で話題になっています。これからMRを目指す方にとっても気になる情報だと思いますので、MR白書を参考に解説をしていきたいと思います。
私の周囲の状況について
私は薬剤師から外資系製薬会社にMRとして転職して現在に至ります。私の知る限りでは私の周囲で人員が削減されたり整理されたりというのは耳にしていません。
逆に大きく人員が増えているというわけでもありませんが、退職者については補充があったりしている状況で、会社としても現状は大きく人員の状況を変動させる意向は無いように思ます。
仕事的には手が足りていない状況なので、個人的には若干の補充をしてもらいたいと思っているような状況です。
数字は真実を映し出す?
私の周囲の状況としてはそれほど、削減されてきているというのは実感していないのですが、数年前からのMR白書の数値を見ると、ピークの2013年と比較すると大きく人員が減っていて、数値だけ見ると現役のMRとしても若干危機感を持ってしまいますね。
新卒採用の実施を行っている企業も4割以下になっているようで、新規の補充が行われていない状況のようです。
MRは元々離職率が高めのケースが多いため、離職者の減少に対して新規の採用が行われていないのが大きな背景ではないかと感じています。
MRという仕事が合わずに退職された方の多くは別の仕事に転職されることが多いためMR数としては減少しているのかなと思います。
早期退職などのケースもあると思いますが、MR経験者の方で同種の仕事を希望される場合は、他の製薬会社やCSOなどに転職されると思いますので、MR総数という意味では、それほど減少に影響していないのではないかと思います。
MRは不要なのか?
私がMRになる前からささやかれていた「MR不要論」ですが、MRになった今は、一部の仕事については当てはまっているなと感じます。
例えば、対面での訪問が良しとされていた頃とは状況が異なり、電話やオンラインでの情報提供などが普及してきたため、MRの仕事の進め方にも変化が求められてきています。
電話やオンラインのみで活動されている方も増えてきているようなので、業務が効率化された結果、必要な人的リソースが減っているという背景もあるかもしれません。
じゃあ、やっぱりMRは不要なのかと言われるとそんなことはありません。製薬業界も一般の製品と同じように「良いものを作れば売れる」というものではなく、製品情報を的確に伝えて理解してもらい、理解したうえで選択してもらう必要があります。
さらに薬という人の健康にかかわる部分だからこそ、より一層の製品理解を販売する側/利用する側、双方に理解してもらう必要があります、その最前線にいるのがMRだと考えています。
この仕事は向き不向きといった特性がある仕事だと感じています。製品の知識が豊富で言語化能力とコミュニケーション能力が高い人は、問題なく働き続けることが出来ると思いますが、単純に製品の情報を伝える事がMRの仕事と考えている人は淘汰されていってしまうと思います。(私も頑張ります!)
これからMRを目指す方へ
MRの数は全国で5万人程度なので、すべてのMRを集めても東京ドームに入ってしまう程度の人数です。
ここ数年徐々に減少しており、今後も緩やかに減少していくことが予想されますが、MRという仕事の将来について私は悲観していません、私の転職経験において仕事内容についても収入の面においてもベストな選択だったと思います。
現在もそうですが、優秀なMRについては今後も取り合いの状況は続くと思います。
実際に外資系製薬会社等は相次いでMRの増員を発表しています。
>>ジェンマブ日本法人MRの増員を発表
>>サンファーマMRを増員予定
明記はされていませんが、求められているのはMR経験者が中心になっていると思います。MR経験者は人材不足の状況が続いています。各社RSUなどの条件の良いインセンティブを付与してまで、優秀なMRを獲得しようとしています。
逆に未経験の方にとっては、新卒のMR採用がセーブされつつあることや経験者のみの採用が増えている事を考えると、未経験からMRへ転職をする道は、今後少しづつ厳しくなっていくのではないかと思います。
新規にMRに転職するのは厳しくなりつつありますが、MRの総数が減っていくことが優秀なMRにとっては、転職環境と収入の面で有利に働くこともありそうです。
未経験からMRへの転職に興味のある方は、まずは早めにMRに転職を行い実績を積むことが大切です。
人によって合う合わないがある仕事ではありますが、適正の高い人は待遇面でも満足する働き方が出来ると思います。
一般的な求人では、製薬会社の求人は扱っていないことが多いため、転職エージェントの活用がMRへの転職の近道です。