今度こそ失敗しない!病院薬剤師への転職チェックポイント

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まずは転職に求めるものを再認識

病院は、調剤薬局と並んで、薬剤師の人気の就職先の一つです。

薬剤は、注射薬から内服、外用薬などを幅広く取り扱うことができ、患者の状況をベッドサイドやカルテを通じて、継続的にフォローすることができるので、病院ならではの臨床経験を得ることができます。

糖尿病教室、感染対策委員会等の活動を通して、他職種との交流もでき、チーム医療を経験することができるので、薬剤師の専門性を生かせる、やりがいのある仕事です。

病院薬剤師として経験を積んでいきたいけれども、どういうところに就職したらいいんだろう…?

病院薬剤師って忙しいの?年収は?

これは、私が病院に勤務していた頃に、よく聞かれた質問でした。病院にも、様々な診療科や大規模から中小規模病院まで存在していて、どこに就職したらいいのだろうかと、戸惑うことも多いのではないのでしょうか。

結論から言いますと、病院薬剤師の忙しさは、病院のタイプにもよります。
それに、今後どのような薬剤師像を目指しているかによっても、就職するのに向いている病院は変わってくるのです。

今回は、病院薬剤師歴10年で、急性期や慢性期病棟を経験してきた私が、病院に転職するときに必ずチェックしてもらいたいことを、お伝えしたいと思います。

病院のタイプを確認しよう

病院は、超急性期、急性期、回復期、慢性期に分かれています。

超急性期、急性期では患者の状態が刻一刻と変わってきて、急変の可能性も高くなります。

早急な治療が必要な方が多く、他スタッフとの連携や患者の状況に合わせて、柔軟に対応していく力が必要となります。緊張感を持ちながらの業務となるので、やりがいはありますが、忙しくなりがちです。

入退院のサイクルが、数日から、長くても14日程で、患者の入れ替わりは早いで、患者とゆっくり向き合う時間がないことも。

休み明けに出勤したら、「え、もう退院してたんだ…」 なんてこともありました。

回復期、慢性期になると、退院を視野に入れた、今後の生活面での検討や、リハビリや体力の維持などに重点が置かれるようになり、急性期と比べて病状が安定しているので、ゆっくりと患者に向き合うことができます。

ただ、処方内容はあまり変わらず、採血の頻度も3ヶ月に1回となることもあり、のんびりしている分、急性期で仕事をしてきた私には、やや物足りなさを感じてしまいました。

メリットは、残業が少ないので、ワークライフバランスを重視したい方、一人ひとりの患者としっかりと向き合いたいと考える方には 向いています。

キャリアプランを考えておこう

転職する前に、自分のキャリアプランについてもよく考えておきましょう。
例えば、緩和薬物療法認定薬剤師を取りたい場合は、以下のような要件が必要です。

「3年以上、緩和ケアチームまたは緩和ケア病棟を有している病院、診療所等のいずれかの施設において緩和ケアに従事している薬剤師であること」

このように、要件には、3年以上など年数が決まっており、じっくりと腰を据えて業務に取り組む必要があります。

他にも、感染制御認定薬剤師の場合は、「病院内の感染対策委員会や感染対策チームの一員として3年以上の活動」が必要となってきます。

このような場合は、委員の一員になれるように、まずは上司にアピールすることも必要です。
「就職してみたけれども、専門薬剤師がとれる病院ではなかった…」ということにならないように、専門薬剤師が取れるかどうかは、面接時に必ず確認しておきましょう。

国公立病院?民間病院?

病院にも、国公立の病院か民間病院に分けられます。
いずれも、メリット、デメリットがありますので、自分に向いている働き方を考えてみましょう

国公立病院の特徴

まず、国公立病院は大規模な病院が多く、高度医療を担っており、最先端の医療に携わりたいと考える方には向いているでしょう。大規模な病院ほど治験業務も活発に行われています。
そして、待遇は公務員レベルで、福利厚生の充実、産休育休の取りやすい、退職金が多い、定期昇給があるなど、民間よりも安定していて、手厚い待遇になるので、就職先として人気があります。
ただ、デメリットとしては、国公立病院系列は転勤が発生します。

転勤が可能な範囲は、ある程度希望を聞いてもらえるようですが、転勤は、自分だけではなく家族の生活にも影響してしまいます。
それに、給与面も公務員レベル。民間の病院薬剤師に比べたら、新卒入社時の給料は低いと言われています。
定期昇給はあるのですが、新卒で国立の大学病院に勤めていた友人は、「夜勤をして、やっとの給料…」と言っていました。
ただ、長い目で見ると、待遇面は非常に魅力的ではないのでしょうか。

民間病院の特徴

民間病院の場合ですと、中小から大規模まで、様々な病院が存在しているので、自分がどのようなキャリアプランを考えているかで、選択肢が変わってきます。
国公立病院もそうですが、大規模な病院の場合は、調剤部門や病棟部門など組織が分かれており、どこに配属されるかは、希望が通ることもありますが、まずは上司の判断に大きく委ねられます。
そのため、全ての部門を経験するには、長い期間、勤務する必要が出てきます。
大規模な病院ほど、様々な診療科、最先端の医療に触れることができますが、短期間で辞めてしまうと、「投薬経験ゼロ」のまま、転職活動をする薬剤師もいます…。これでは、就職活動に不利になってしまいます。
中小規模の病院の場合は、外来から入院患者の病棟対応などを、少ない人員で、幅広く対応することが求められています。病院薬剤師のゼネラリストに早くなりたい方は、あえて中小規模での就職もいいかもしれません。
気をつけてほしいのが、中小規模の病院の場合は、少ない人数で業務を行うので、病院の方針で、院外処方にしていたり、あえて病棟業務を行っていない病院もあるので、自分が経験していきたいことと業務内容にズレがないかは確認していきましょう。

一般的に、病院薬剤師は給料が安いとは言われていますが、民間の場合は、給与面も幅があります。意外と田舎ののんびりとした病院でも、薬剤師が来ないため、給料水準が高めに設定されている場合もあります。 通勤範囲を広げてみると、こういった求人も見つかることもあります。

民間病院でも転勤の有無は確認を

まれにですが、医療法人内の病院間で人事異動が発生することがあります。

私が勤務していた職場では、人間関係で揉めて異動してきた薬剤師や、同じ職場で結婚して、その後、夫の方が異動になった薬剤師がいました。

民間病院でも、医療法人内の病院がないかチェックしておきましょう。特に近隣に病院がある場合は、意外と異動が発生することもあるようです。

夜勤や残業はあるか

ワークライフバランスを考える上では、夜勤、残業は必ずチェックしておきたいポイントです。残業時間は、転職サイトで確認もできますが、外来診察時間や入院対応時間でもある程度予測は可能です。

夜勤に入って、バリバリ稼ぎたいと考えている方は、就職の幅が広がりますので、どんどんアピールしていきましょう。

外来診察時間

常勤の医師は、外来と入院患者を対応しています。
医師によっては、外来診察の合間に入院患者の指示を出すこともありますが、外来診察時間が長引いてしまうと、入院患者への指示がどうしても後回しになりがちです。

外来診察が午前で終了する場合は、午後から入院患者の指示がでるので、残業時間も少なくなる傾向にあります。

入院対応時間

病院で働いていて、忙しいと感じるのは、入院時の対応ではないのでしょうか。
入院時は、処方オーダーが入ったり、薬剤鑑別、初回面談を行ったり、業務量が多くなります。

病院によっては、業務が煩雑になることを防ぐために、「入院対応時間は16時まで」と設定しているところもあります。 このような対応をとっている病院は、残業時間が少なくなる傾向です。
ただ、救急外来をやっていると、入院対応時間の設定は、難しいかもしれません。

夜勤専門を雇用しているところも

最近では、社員のワークライフバランスを重視する職場も増えてきました。
子供が生まれると、なかなか夜勤対応ができないスタッフもいるため、夜勤専門の薬剤師を雇用している職場もあります。

夜勤専門の薬剤師がいることで、あとは、夜勤対応可能なスタッフだけで、夜勤のシフトを回すことが可能になります。
社員のワークライフバランスも保てて、夜勤専門の薬剤師は雇用条件に納得して、それに見合った給料を確保することができます。

産休育休が取得できるか

大学を卒業してから、長く働き続けていくことを考えると、産休育休制度がしっかりと整っているかどうかは大きなポイントになります。
2023年には、大企業では男性の育休取得率を公表することが義務付けされ、男性の育休今後ますます推進されていくようです。

そのような中でも、職場によっては、「半年まで」と言われたり、未だに育休取得できずに退職の流れになる現状もあるので、しっかりとチェックしておきましょう。

薬剤師の実績を確認しよう

病院としては産休育休制度をしっかり取り入れているとしても、実際は、「看護師だけ」の実績の可能性もあります。
私の友人は、薬剤部での育休の取得実績がない職場でした。

妊娠したにも関わらず、他のスタッフと同じように夜勤の対応してほしいなど、上司からの配慮が少なかったので、仕事を続けていくのは難しいだろうと判断して、泣く泣く産休前に退職をしてしまいました。

残念ながら、病院自体では育休を推進していても、上司の考え方などが反映してしまい、部署によっては育休が取得しにくいことあるのも現実です。

薬剤師が取得した実績があるかを、念の為確認した方がいいでしょう。

情報をしっかり集めて動き出そう!

病院薬剤師は、病院のタイプやキャリアプラン、国公立か民間の病院かによって、選択肢は様々です。夜勤や残業時間の有無、産休育休の取得ができるか等も、長く働き続けるには、重要になってきます。
チェックポイントを活用して、実りのある転職活動になるように参考にしてみてくださいね。

なかなか個別の求人に対して詳細を確認することは難しいと思いますが、転職エージェント経由であれば情報が得やすいケースもありますので、転職エージェントなどの支援サービスを利用するのもポイントの一つです。

>>私の転職体験についてはこちら

モカ
薬剤師からMRに転職して4年目のアラサー。
病院薬剤師として働いていた時に、お給料や職場環境に不満があり転職を決意。最高の職場を探すために、ブログを立ち上げました希望のMRに転職できましたが、慣れない環境で充実しつつも苦戦中。
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