ハンター症候群の画期的新薬を発売するクリニジェン株式会社がコマーシャル部門の募集を開始したとの情報が入ってきました。
すでに元ジェンザイム社等の経験者を中心に採用が進んでいるとのことです。
前回、募集があったPV責任者では年収1200から1400万円の給与での募集であったため、今回もかなりの条件で募集があるのではないかと思われます。
ハンター症候群期待の新薬 ヒュンタラーゼとは
ハンター症候群とは
ムコ多糖症Ⅱ型(ハンター症候群としても知られる)はX連鎖性の多系統疾患であり、グリコサミノグリカン(GAG)の蓄積を特徴とする疾患です。
患者の大半が男性で、まれにヘテロ接合体を保有する女性で症状を認めることがあります。
発症年齢、重症度、進行速度には罹患男性の間で著しい差があり、早期進行型では、中枢神経病変(主に進行性の認知機能低下を示す)、進行性の気道疾患、心疾患により通常は20歳までに死亡する致死性の疾患です。
緩徐進行型では、中枢神経系は侵されないが(もしくは僅かに侵される)、中枢神経以外の臓器へのグリコサミノグリカン蓄積の影響から、進行性の認知機能低下を呈する患者と同程度に早期に進行することがあります。
緩徐進行型では成人初期まで生存し、知能は正常であることが多く、双方の病型で共通するその他の所見には、低身長、大頭症(交通性水頭症を伴う場合も伴わない場合もある)、巨舌、嗄声、伝音性難聴/感音性難聴、肝脾腫、多発性異骨症、脊柱管狭窄症、手根管症候群などがあります。
治療法について
他のライソゾーム病と同じように症状に対する対症療法に加え、欠損している酵素を外から取り入れる酵素補充療法が治療のメインになります。
イデュルスルファーゼ(エラプレース, Elaprase®)(遺伝子組換えヒトイズロン酸-2-スルファターゼ)による酵素補充療法が、緩徐進行型に対して2006年に米国とEUで承認されました。
より最近の研究成果によると、5歳未満の小児患者、早期進行性の肺合併症をもつ患者、もしくは早期進行性の中枢神経疾患をもつ患者において、エラプレース®は血液脳関門を通過しないものの(それゆえ中枢神経疾患に対する効果は期待できない)、早期の酵素補充療法によって身体症状が改善する可能性があるとの報告がありました。
5歳未満の小児に対する治療の安全性や忍容性は年長児と同等で、(臍帯血もしくは骨髄を用いた)造血幹細胞移植によって疾患の進行を遅らせる、もしくは止めるのに十分な酵素活性を供与することができるが、比較臨床試験は行われておりません。
問題なのは従来までの酵素補充療法が中枢神経疾患にはほとんど効果が期待できない事です。
酵素補充療法による治療は、生命予後の改善効果が認められている が、神経障害に対して、酵素補充療法は不十分であったという。
ヒュンタラーゼは神経障害に対して、新たな治療アプローチが求められており、 脳室内への酵素補充療法が実用化されたと指摘した。
ヒュンタラーゼの投与方法
韓国GC Pharmaによって開発されたヒュンタラーゼは、薬剤が脳室に直接送達され、脳および中枢神経系の細胞 に到達するため、精神運動発達遅滞等に対する効果が期待されている薬剤です。
ヒュンタラーゼの導入には、CSリザーバー(髄液の排除を目的とする超小型の髄液貯溜槽)の装着を脳神経外科医が全身麻酔下で実施し、小児科医または脳神経外科医が4週間に1回の投与を行う。
CSリザーバーについてはこどもセンターなどの脳神経外科であれば装着についての難易度はそれほど高くないとのことです。
気になる求人情報は
前回のCVでは以下のような募集要項でした。
応募資格
■SOP、RMP、その他のPVドキュメントの開発経験
■マネジメントのご経験
■ビジネスレベルの英語力
やはりメーカーでの勤務経験が必須のようです。
給与については年俸制、年収 1200万円〜1400万円例)管理職手当を含むとの記載でRSUについては記載がありませんでした。
これから希少疾患領域の会社から目が離せません。