ついに注目のバイオマリン(Biomarin)がセールス部門の募集を開始しました。
バイオマリンは1997年3月にアメリカ合衆国 カリフォルニア州 サンラファエルで設立された、まだ歴史の浅い会社です。
日本の拠点は2013年に設立され、現在の社員数は約20名です。
本当にスタートアップの会社でやりがいは高そうです。
バイオマリンはどのような会社なのでしょうか。
バイオマリンはどのような会社か
BioMarin Pharmaceutical Japan株式会社は、小さな会社です。
限られた人数の社員(約20名)と共に、2013年の設立以来、希少疾患に対する治療選択肢を提供する事をミッションとして挑戦を続けてきている会社です。
現在の主力製品はムコ多糖症ⅣA型(Morquio 症候群)とムコ多糖症VI型(マロトーラミー症候群)の治療薬、さらに2020年1月より販売をしているセロイドリポフスチン症の治療薬を販売しております。
皆様はムコ多糖症やセロイドリポフスチン症の名前を聞いたことがあるでしょうか?
ムコ多糖症ⅣA型とムコ多糖症VI型はムコ多糖症(MPS)の中でもかなり症例が少ない疾患です。
ムコ多糖症ⅣA型の発症率は出生約50万人(日本)に1人。
ムコ多糖症VI型の現在確認されている日本人生存症例は10例以下です。
こんなに症例が少ない疾患の治療薬を製造し、販売している会社ってすごいと思いませんか?
スタートアップ時のジェンザイムやアレクシオンに近い感じの会社だと思います。
競争が激しいMPS治療薬
今までMPSの治療薬はⅠ型の「アウドラザイム」、Ⅱ型の「エラプレース」、ⅣA型の「ビミジム」、そしてⅥ型の「ナグラザイム」とどれも対抗品がなく、疾患が見つかって、治療始めるとなればその対象疾患の薬剤が選択される状況でした。
対象疾患の多いMPSⅡ型のエラプレースで考えると、1バイアル401,647円の製剤が自動的に選択される状況でした。
しかも1回の投与量は体重換算なので仮に体重40㎏の患者さんであれば4バイアル必要になります。
401,647×4=1,606,588円が一回の投与金額となります。
さらに毎週投与ですから
1,606,588×48=77,116,224円となります。
1症例の1年間の薬剤費が7000万円以上になることもあるのです。
今まではジェンザイム社が独占でしたが、2021年ついに対抗品として2製剤の上市が決まっております。
このことがどのように影響があるのでしょうか。
ムコ多糖症を含むライソゾーム病、希少疾患はDrがその疾患を疑うことが非常に重要になります。
ファブリー病など患者さんが症状を訴えてから診断がつくまで10年かかったなどざらに聞きます。
疑ったときに必要な検査をすること。
そのことが非常に重要になります。
対抗品が出てくるということはそれだけコール数や学会などでの発表も増え、Drの目につくとこも多くなると思います。
ムコ多糖症の検査の第一ステップはウロン酸の測定になるので、検体数が増えればⅣA型もしくはⅥ型が見つかる確率も少しは高くなり、患者さんにも役に立てる状況になるかと思います。
何といっても、現状、日本ではⅥ型の患者数6人で、既に3人は骨髄移植を選択しているため、3人がこの薬剤を使用している状況ですから。
裏を返せば3人の患者さんのために薬剤を製造販売している、非常に社会貢献度高い会社だと思います。
採用条件について
現在公開されている募集要項にはこのような記載があります。
募集要項
・Sales experience within hospitals and academic institutions
・Experience in development and management of national/regional physicians network
・Driver’s license
ここまでは現在プライマリーでMRをされておられる方にも当てはまるかと思います。
ただし、このような方を優先しますとの記載には
Preferred
・Prior work with rare disease therapeutic area
・Experience in new product launches
・Leading and/or coordinating patients identification program
このような記載もあります。
現在社員20名の会社ですから、本当の意味のスタートアップになるかと思います。
大手製薬会社の様に内勤の方に押印や書類作成を任せたり、講演会の資材を依頼したりなど細かいことは期待できませんが、
実績を上げればすぐに大きな権限と給与に反映されると思います。
この辺りはスタートアップ案件の醍醐味になるかと思います。
気になるRSUや給与面などの公開はまだありません。
これからも希少疾患領域の会社から目が離せません。